2011年10月8日土曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第2回(10/5)

 今回はゲーム理論の続きです.思ったより早く進みました.

【授業の内容】
 まず前回の復習として「支配される戦略の逐次消去」をやりました.ただし,この方法で解ける問題は限られています.この方法で解けない問題を解くためにナッシュ均衡があります.

 ナッシュ均衡とは「あるプレイヤーAの戦略はプレイヤーBの戦略に対する最適反応であり,プレイヤーBの戦略はプレイヤーAの戦略に対する最適反応となっている状態」のことです.互いに裏をかけない状況と考えて良いでしょう.
 利得表を使ってナッシュ均衡を導き出すやり方も説明しましたが,利得表を使わない立地ゲーム(ホテリングゲーム)でもナッシュ均衡の考え方を確認しました.このゲームの結論は一見非現実的に思えるかもしれませんが,実際の経済でもこれに近いケースはあることを紹介しました.

 続いてミニマックス戦略です.これまでのゲームはすべて「利得の最大化」を目的としていましたが,ミニマックス戦略の目的は「被害の最小化」です.
 各戦略は最悪の場合利得がいくらかを考え,そのうち最も利得が高い戦略を選びます.

 最後に逐次(ちくじ)手番ゲームも解きました.逐次手番ゲームとは,じゃんけんのように戦略を同時に決定するゲーム(同時手番ゲーム)ではなく,あるプレイヤーが戦略を決定し,その後他のプレイヤーが戦略を決定するというように時間の流れがあるゲームです.
 このようなゲームはゲームツリーで表現できます.このようなゲームの解法は,「後ろ向き帰納法(Backward Induction)」です.この解法では,まず最後に行動するプレイヤーの戦略を確定し,そこから順に時間を遡って,各プレイヤーの戦略を決定するのです.つまり,現実にはプレイヤーA→B→Cの順に戦略を決定するとすれば,プレイヤーC→B→Aの順に行動を確定させていくのです.

 さて,今回はメモと課題を渡しました.どちらも次回の授業で回収します.

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