2008年12月1日月曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第12回

 今日は前回に引き続きリスクです.特にリスクと効用の関係,そしてリスクの測定について説明しました.

【授業の内容】
 まず,皆さんがリスクについてどのようなタイプであるか調べてもらいました.収入と効用との関係から,リスク回避者,リスク中立的,リスク愛好者の3タイプに分かれました.
 リスク回避者とは,2つの選択肢があり,どちらを選んでも期待値が同じだとすればリスクが少ない方を選ぶ人のことです.逆にリスク愛好者は期待値が同じであればリスクの高い方を選びます.リスク中立的な人は,リスクの有無には関心を持ちません.そのため,効用関数は線形(直線)になりました.

 授業では,
A:1/2の確率で年収1000万円受け取れるが,1/2の確率で年収0円となる仕事
B:確実に年収500万円を受け取れる仕事
 これら2つのどちらを選ぶかを,リスク回避者,リスク中立的,リスク愛好者の3者でそれぞれ具体的な数値例を使って説明しました.
 ポイントはAの仕事を選ぶと得られる効用の期待値と,Bを選んで得られる効用を比較することでした.Aは結果にばらつきがあるので(リスクがあるので),期待値しかわかりません.

 続いて,自動車保険を例に,リスクプレミアムを図で確認しました.リスクプレミアムとは,リスクを避けるために払っても良いと考える金額のことです.自動車保険に入らなければ,事故を起こしたときに大金を支払わなければならないリスクがあります.そのリスクを避けるために我々は保険に入っています.
 保険の説明をしながら,「ちょっとこれはわかりにくいかな?」と思ったので,前半に説明した例の職業Aを使ってリスクプレミアムを再度説明しました.いくら年収の期待値が500万円と高いとは言え,このようなリスキーな仕事は嫌という人は多いでしょう.では,このリスクがなくなる代わりに,年収が減って○万円を確実にもらえるようになるとすれば,いくらまで年収が下がることを我慢できますか?これがリスクプレミアムです.
 最後に,期待値が低くなると分かっていてもギャンブルをしてしまうリスク愛好者にとっての負のリスクプレミアム(リスクを選ぶためにどれだけ損しても構わないか)を図で表現しました.

 このリスクプレミアムの説明はテキストにもあります.わかりにくかったという人は(少なくないでしょう),必ずテキストを読んで復習して下さい.

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