2008年12月10日水曜日

経済数学入門 第12回

 今回は数列について説明しました.
 数列は,経済学関係では金融について学ぶ上で必須の知識です.また,経済学以外でも,数字の羅列から法則性を見つけ出すことはSPIなどでも役立つことでしょう.

【授業の内容】
 まず等差数列から始めました.等差数列とは,1次関数のように,同じペースで数字が増え続け(あるいは減り続け)ていくような数字の列です.(細かい話をすると連続か離散かという違いはありますが…)例としては,5,8,11,14,17,20…という数字の列があります.
 等差数列がわかった後は,この等差数列の一般項(第何列目の場合も当てはまる項)を見つけました.先ほどの数列では,第1項(最初の数字,初項)と第2項との差は3です.第1項である5に(+3)を足すと第2項になり,つづいて第2項に同じく(+3)を足すと第3項になります.つまり,第3項は初項である5に,(+3)を2回足した数字です.この事を利用して,第n項を求めました.この例では(+3)ずつ足していますが,この数は公差と呼ばれます.
 続いて,このような等差数列の和(Sn)を求めました.これは,等差数列の最初の項と最後の項,そして第2項と最後から2番目の項,をそれぞれ足すと同じ数字になることから導き出せました.

 さて,後半は等比数列の一般項,そして和の導出方法を説明しました.等比数列とは,同じ割合で増え続けていく数字の列です.例えば1,2,4,8,16,32,…というのも等比数列です.この場合は初項が1であり,増加の割合は(×2)です.どんどん2倍し続けています.この増加(減少する場合もありますが)の割合を公比と呼びます.
 この等比数列は,銀行に預けたお金に利子が付いて増えていく過程を考える上で利用できます.銀行にお金を預けると,翌年には元本に一定割合(1+利子率)をかけたものになります.その翌年にはさらにもう一度(1+利子率)をかけたものになりますが,これは正に等比数列そのものです.
 最後にこの等比数列の和の出し方も説明しました.アンケートがあったので少々駆け足になりました.わかりにくかったという人は全学共通教育センターに来てください.説明します.

0 件のコメント: