2008年12月10日水曜日

経済学A 第11回

 今回はちょっと趣向を変えて,現実というより,抽象的なテーマでした.抽象的であるということは,言い換えれば様々な例に応用可能であるはずです.駆け引きを学ぶことはなかなかないでしょうから,頭のトレーニングにもなったのではないでしょうか?


【授業の内容】
 今回は駆け引きの学問でもあるゲーム理論の入門編です.入門編ではありますが,そのエッセンスは充分に伝わったのではないでしょうか?

 まずは囚人のジレンマというプレイヤーが同時に戦略を決定するゲーム(同時手番ゲーム)を例に,ゲームとは何かを説明しました.ゲームとは複数のプレイヤーが存在し,あるプレイヤーの行動が他のプレイヤーに影響を及ぼすような状況のことです.囚人のジレンマゲームでも相手がどのような行動を取るかを予想しなければなりません.プレイヤーが選ぶことができる選択肢のことを戦略,またその結果にもたらされる状況を利得と呼びます.
 続いて,少しややこしくなった利得表で,戦略の逐次消去を学びました.自分が持つ戦略のうちで,使い途がないもの(正確に言うと,どんな状況においても,他のある戦略と比べて同等以下の結果しかもたらさないような戦略)をどんどん捨て去ることでした.

 さて,この戦略の逐次消去でも解けない問題もあります.そんな問題を解決してしまう考え方がナッシュ均衡です.ナッシュ均衡とは,「あるプレイヤー(A)の戦略が他のプレイヤー(B)の戦略に対する最適反応になっており,Bの戦略がAの戦略に対する最適反応になっているような戦略の組合せ」です.直感的に分かりやすく言えば,「お互い,これ以上相手の裏をかけないような状況」と言えます.
 立地ゲームはナッシュ均衡の考え方をつかむのに適当なゲームだと思います.

 最後に,時間の流れがあるゲーム(逐次手番ゲーム)の解き方を説明しました.後ろ向き帰納法と呼ぶのですが,その中身は一番最後に戦略を決定するプレイヤーの行動から順に,時間をさかのぼって戦略を決定していくことでした.

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