2007年12月10日月曜日

経済学Ⅰ 第12回

【授業の内容】
 最近になって消費税値上げの話題がよく聞かれます.社会保障目的税にするということですが,消費税率が上がって社会保障目的税になると,我々の生活にどんな変化が出るのでしょうか?ただ単に税金が上がるだけ?今日は主に税金が経済の仕組みにどんな影響を与えるのかを中心に説明しました.
 まず大きな政府と小さな政府って何だったか,久々に復習しました.大きな政府の代表格としてはスウェーデンやデンマークといった北欧諸国やフランスが挙げられます.逆に小さな政府の代表としてはアメリカ,スイス,韓国と言った国の他,実は日本も小さな政府のグループに含まれると言って良いでしょう.どんな指標を元に大きい,小さいと判断しているかはともかく,まずは日本の財政状況を見てみました. 財政状況はなじみのない言葉が多いため,財務省に倣って家計に置き換えて説明しました.http://www.mof.go.jp/zaisei/con_02.html 日本は収入以上に随分お金をつかっており,慢性的な借金体質のようです.普通の家ならすでに破産しているかもしれませんし,そもそも新たな借金はできないでしょうね.借金を減らすには,収入を増やすか支出を減らすか,あるいは同時に行うかしかないわけです.
 歳出を項目別に見ていくと一番多いのは社会保障費でした.社会保障は前回確認した通りですね.この項目は日本が少子高齢化である以上,なかなか減らせないでしょうね.今後も増加し続けると予想されています.
 次に歳入として,税金の分類から始めました.税金は直接税と間接税,そして国税と地方税に分類できました.直接税の代表である所得税と,間接税の代表である消費税は,ひとくくりに税と言ってもその性質は大きく異なりました.それを公平性と公正性という観点から説明しました.
 現在,消費税率を上げることがニュースになっていますが,消費税を上げると言うことはただ単に税金が増えて困る,という単純なものではありませんでした.
 最後に冒頭の大きな政府と小さな政府に分類する指標として,国民負担率と潜在的国民負担率を紹介しました.これらを先進国間で比較すると日本はずいぶん税金の安い(=福祉水準も低い)小さな政府であることがわかりました.

【おまけ】 税金の無駄遣いを減らせ!と思っている人はこちらのゲームを試してみて下さい.なかなか予算を減らすのも簡単ではありませんね.http://www.mof.go.jp/zaisei/game.html

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