2007年12月13日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第12回

 今日はリスクと不確実性です.世間では似たような意味で使われますが,厳密には違う意味を持っています.

【授業の内容】
 今日の内容は金融関係を目指す人は特に理解しておく必要がありそうです.資産運用,融資,保険など金融業界とリスクや不確実性は切っても切れない関係にあります.
 まずは期待値の計算からです.経済数学入門でもやったので復習ですね.経済数学入門では宝くじの期待値などを計算したはずです.
 次にリスクですが,リスクとは単に結果のばらつきの大きさのことでした.別に良いことが起きるか,悪いことが起きるかは関係ありません.ばらつきがあればリスクがありますが,あることが必ず起きるのならリスクはありません.
 (ギャンブラーは別として)多くの人にとってはあまり嬉しくないリスクですが,そのリスクを減らすための最善の方法は,「卵は分けて持て」でした.資産運用で言えば分散投資です.授業ではリスクヘッジの方法として,リスクに対して逆に反応する株式の組合せを考えました.
 リスクも不確実性も将来何が起きるかわからない,という点では一緒です.ただし,リスクの場合,様々な出来事が起きる確率はわかっていましたが,不確実性とはその確率すらわからない場合に使う言葉です.例えば,サイコロでどんな目が出るかはリスクですが,期末テストで何点を取るかは不確実性と言えます.

 最後に来週への布石として,リスク愛好家とリスク回避者の効用曲線の形状を見てみました.来週は保険を例にリスクプレミアムを説明します.今回に比べると非常に難しいと思うので,ぜひテキスト(12章)で予習をしておきましょう.

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