2008年5月20日火曜日

経済学A 第4回

 今日は名目値と実質値の違いを説明しました.

【授業の内容】
 最近,また年金制度についての議論が活発になってきましたが,公的年金はなぜ必要なのでしょう?個人の積立貯金ではダメなのでしょうか?
 ということは,物価の変動について少々知識があった方が深く理解ができます.また物価の変動に伴う名目値と実質値の違いを理解することは,資産運用を考える上でも重要となります.

 さてその物価ですが,授業では消費者物価指数(CPI),企業物価指数,GDPデフレータを紹介した上で,単純化した例でCPIの計算をしました.計算方法はテスト前にも確認しましょう.そんなに難しいものではないはずです.
 続いて物価の違いとして,時系列と横断面で比較しました.同じ日本でも時代により物価は大きく違いますし,現在でも国,地域によって物価は異なります.いくつか具体例を紹介したのですが,驚いたのではないでしょうか?
 なぜ物価は変動するのか,まぁ時間と共に物価は上昇するケースが多いので,なぜ物価が上がるのかを,需要と供給の2点から説明しました.現在の世界的な原油価格の高騰は途上国での需要増加が主なきっかけです(もちろん投機マネーが原油市場に流れ込んだこと,バイオ燃料の増産なども影響しています).

 さて,物価の説明が終わったところで,後半は名目値実質値を説明しました.最初の例として,名目所得と実質所得,次に名目GDPと実質GDPの説明をしました.どちらもポイントは共通しています.
 名目値というのは普段目にする数字だけに,ついつい惑わされがちですが,あまり重要ではありません.名目所得よりも物価の変動を考慮した実質所得の方が重要ですし,物価で左右される名目GDPよりも,生産力そのものの変化がわかる実質GDPの方が国の持つ経済力を上手く表現できています.
 それぞれ名目値と実質値の違いを理解してくれていたら良いのですが.まぁ皆さん後半は真剣に授業を聴いていたようなので大丈夫ですよね?

 授業でも少しふれたのですが,質問や感想があればこのブログにもどうぞ.

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