2008年5月9日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第5回

 今日は前半に弾力性を,後半は所得の変化と消費について説明しました.

【授業の内容】
 需要の価格弾力性はずいぶん引っ張ってきましたが,学割など価格差別がなぜ行われるか,またある商品の価格がどうやって決まっているかを理解する手がかりを与えてくれる概念です.一言で言えば,消費者が価格の変化に対してどれぐらい反応するかというものです.
 というとややこしそうですが,実際に計算して1より大きければ弾力性は高く(消費者は価格の変化に敏感),1より小さければ弾力性は低い(消費者は価格の変化に鈍感)というものです.
 弾力性が高い場合には価格を下げることで収入を増やすことができます.逆に低い場合には価格を上げることで収入を増やすことができます.これを応用したのが二部料金ですが,意外といろんな場面で利用されています.レーザープリンターの話は僕にとって驚きだったのですが,あまり反応は無かったようです….

 後半は所得と消費の関係を説明しました.普段はあまり意識しませんが,財の中には所得が増えると消費量が増えるものだけでなく,所得が増えると消費量が減るものも存在します.前者は上級財(普通財),後者は下級財(劣等財)と呼ばれます.上級財には贅沢品が多く,下級財には廉価品が多いようです.
 次にこの関係をグラフ(予算線と無差別曲線)で確認しました.予算が変化するとどの点に消費が移動するか理解できましたか?

 来週は,価格が上がると消費が増えるという異常な財(ギッフェン財)と,スルツキー分解について説明します.スルツキー分解はミクロの最初の大きな関門です.必ずテキストを読んで予習してきて下さい.

【課題】
 テキストのpp.154-166を読んでくる.

中間テストについて
 中間テストは5/23の講義時間内に行います.たぶん30分程度で,範囲は消費者理論です.授業で言えばおそらく来週の内容までだと思います.

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