2008年11月6日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第8回

 今日の前半は,完全独占市場の余剰分析を,後半は公共財の説明をしました.

【授業の内容】
 前半は,完全競争市場と比較した場合の,完全独占による死荷重を計算しました.しばらく独占市場ばかりやってたので,完全競争市場のことを忘れてしまったかもしれません.
 完全競争市場とは,企業に価格の決定権はありません.企業は市場で決まった価格を受け入れるだけの価格受容者(プライステイカー)です.この状況下では,企業は価格と限界費用が等しくなるように生産をします.つまりP=MCですね.
 対して,完全独占市場では,独占企業は当然ながら,自分で好きなように価格を設定できます.つまり価格決定者(プライスメイカー)です.

 さて,完全競争市場においては社会的余剰が最大になることは前期に学んだとおりですが,完全独占市場という市場の失敗が起こると,その社会的余剰は小さくなってしまいます.それを具体的な数値例を基に計算しました.この問題はこれまでの総復習としてちょうど良いので,期末試験にも(僕がぼんやりしてなければ)必ず出しますので,必ず復習しましょう.

 後半は公共財について説明しました.
 これまでも様々な財(の分類方法)が出てきました.今回は財の利用について,私的財と公共財(と準公共財)に分類しました.
 公共財とは次の2つの性質を兼ね備えた財のことです.

非競合性:ある人の消費が他の人の消費の妨げにならないこと.つまり複数の人が同時に使っても支障がないこと.

非排除性:特定の個人の利用を妨げることができないこと.つまり誰でも利用できること.

 逆に上記のどちらの性質も満たさない,言い換えれば競合性と排除性を持つ財を私的財と呼びます.また非競合性と非排除性のどちらか一方しか満たさない財は準公共財と呼ばれます.
 これらの公共財は,フリーライド(ただ乗り)できるため,営利を目的とする民間企業は供給しません.そのために政府が供給します.公共財と呼ばれる所以でしょうね.
 例外は花火大会やTVの民放(地上波)です.花火は非競合性と非排除性を持っていますが,民間企業が供給しています.もちろんあれはタダで供給しているわけではなく,(少なくとも僕が知っている花火大会は)企業の広報活動の一環として開催されてそうなので,経済学的には厳密に言うとタダではないですね.

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