2008年11月27日木曜日

総合政策演習B1② 第10回

 今回は費用逓減産業,情報の非対称性,所得分配についてです.どれも内容をきっちり理解しようと思うと時間はかかりますが,公務員試験と割り切れば非常に簡単です.

【授業の内容】
 費用逓減産業とは,ガス,電力や通信のように,最初の埋没費用はとてつもない額になるけど,限界費用は下がり続ける,つまりスケールメリットがある産業です.
 このような産業では,価格と限界費用が等しくなるように生産すると赤字が発生します.そのため対処法として限界費用価格形成原理と平均費用価格形成原理の2つがあります.名前が長いですね.
 限界費用価格形成原理とは,通常の完全競争市場のように,価格と限界費用が等しくなるように生産するものです.ただし,この場合は赤字が発生するので(限界費用よりも平均費用の方が高いため),その赤字分を政府が補填します.この方法のメリットは社会的に最適な資源配分が実現できることです.デメリットは赤字になること.
 平均費用価格形成原理は,価格と平均費用が等しくなるように生産するものです.こちらは平均収入(つまり価格)と平均費用が等しいことからもわかるように赤字は発生しません.つまり採算がとれるので,政府に頼らずとも持続的に企業を操業することが可能だというメリットがあります.逆にデメリットとしては,社会的に最適な水準よりも過小な生産,高い価格となる点です.つまり社会的に最適な資源配分が実現できないのです.

 情報の非対称性についの問題では,逆選択とモラルハザードの区別についてよく出題されるようです.確かに似てるので紛らわしいのですが,逆選択は「ある性質を持った人(企業)ばかりが集まってしまうこと」を意味しており,モラルハザードのように「性質が変化してしまうこと」とは明確に異なります.これだけ分かっていれば問題なさそうです.

 最後にローレンツ曲線の見方とジニ係数について説明しました.これはまあ覚えるだけですね.

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