2009年5月15日金曜日

経済学Ⅱ 第4回

 今回でまだ4回なんですね.今回は2財のケースの効用である無差別曲線と,労働市場について説明しました.前半と後半で別の話でした.

【授業の内容】
 まず無差別曲線ですが,この曲線は,効用の水準が一定であるようなある財(A財)とある財(B財)の様々な組合せを集めたものです.例えば,あなたが1週間にサンドイッチを5個とプリンを5個食べているとしましょう.この時の効用の水準を仮に100とすると,同じ効用(100)を得られるようなサンドイッチとプリンの組合せにどんなものがあるでしょうか?例えばサンドイッチ3個にプリン8個,サンドイッチ1個にプリン20個などがあるかもしれません(人によって違いますけどね).
 この無差別曲線にはいくつかの特徴があります.無差別曲線はいくらでも(何本でも)描くことができます.またそれらは右上にある無差別曲線ほど高い効用を表しています(サンドイッチとプリンをたくさん食べると幸せになりますよね).また無差別曲線同士は決して交わりません.
 さて,2財のケースの効用は無差別曲線により図にすることができました.非常に高い効用を得られれば良いのですが,現実にはなかなか難しいです.その原因の1つは予算制約です.限られた予算内でしか財を購入できないという当たり前の制約です.これを予算線として図に描き入れることで,予算内でもっとも効用が大きい点を図で表現することができました.
 また応用として,無差別曲線の形状が財と財の組合せを示すことも説明しました.その例が補完財と代替財です.補完財とは右足の靴と左足の靴のように両者が揃って初めて効用を生み出す財のことです.代替財とは,水とお茶のようにそれぞれが互いの代わりになりうる財のことです.

 後半は家計行動の締め括りとして,労働供給についても簡単に説明しました.与えられた条件の中で(例:1日24時間,時給800円),いかにして効用を最大化するかを図にしてみました.
 わかったことは,時給(賃金率)が上がれば労働量が増えるという単純なものではないということでした.かなり高い給料で長時間働いている人は,それ以上給料が上がっても,もっと働こうという意欲はあまり湧かないでしょう.おそらく所得による限界効用よりも,余暇の限界効用の方が高いのでしょうね.
 さて現実ですが,学生のバイトであれば時給を考えて働く時間を選べますが,正社員の場合はどうなのでしょうね?また考えてみてください.

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