2009年5月22日金曜日

経済学A 第6回

 今週は学生の面接があったため(まだ終わってないけど),更新が遅れてしまいました.

【授業の内容】
 今回は年金を取りあげました.年金は誰もが近いうちに係わることになるものですし,いつかは知らなければならない知識なのでやりました.

 といっても,僕は年金の実務上の話については詳しくないので,主に社会保障としての年金の話をしました.社会保障制度とは,安定的な生活を営めない人を社会全体で助けようという仕組みです.
 社会保障はその方法により,保険的方法と扶助的方法に分けることができます.今回の年金(保険)や失業保険,健康保険など~保険とつくものは,いずれも保険料を払った人のみが受け取れる保障であり,保険的方法に分類されます.受益者負担の原則に沿ったものですね.一方の扶助的方法には,児童福祉,生活保護,災害援助など,受益者が事前に負担しているかどうかに関係なく受け取れるものです.

 さて年金とはどのような仕組みなのでしょう?保険的方法であるので,原則的には年金保険料を事前に納めていた人だけが年金を受け取れます.日本の年金システムは修正積立方式と呼ばれます.一見積立方式っぽいですが,事実上は賦課方式です.この積立方式と賦課方式の違いを理解しておきましょう.積立方式は名前の通り,自分で年金を積み立て,それを将来受け取るという貯金のようなものです.賦課方式は,支払った保険料を,同時代の高齢者が受け取り,自分が高齢者になった時にはその時代の現役世代が払った保険料をもとにした年金を受け取ります.
 現行の制度が事実上賦課方式であるために,かつては大きなメリットがありましたが,現在は大きなデメリットに直面しています.賦課方式のメリットとはインフレに強いことであり,デメリットは少子高齢化に弱いことです.その理由は講義で説明しました.

 ややこしい年金ですが,もっともややこしいのは,職業により加入する年金が異なることではないでしょうか?厚生年金,共済年金,国民年金基金など,わかりにくいですね.

 後半は年金の問題点と学生納付特例制度について説明しました.
 いくつか問題を指摘しましたが,それでも僕は(例外的な少数派を除いて)年金制度を受け入れるべきだと思います.また,まだ入るかどうか迷っている人も(それはそれでアリだと思いますが),学生納付特例制度の申し込みだけはしておきましょう.少なくとも申し込んでも損はありませんからね.

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