2009年5月30日土曜日

経済政策論 第7回

 今回からテーマは観光です.観光は日本では数少ない成長産業であり,昨年には観光庁が設立されるなど近年注目されている分野です.

【授業の内容】
 今回は,「なぜ観光に注目すべきか?」を話した後,日本の観光についての現状,近年のキーワード,徳島の観光についての現状,という順に説明しました.

 なぜ観光なのか?というとなかなか難しいのですが,1つには日本において今後も成長が見込まれる分野だから,と言えるかもしれません.実際,日本を訪れる外国人観光客の数は,(他国と比べるとまだまだ少ないとしても)年々増加しています.政府はビジット・ジャパン・キャンペーンと称して,2022年までに外国人観光客を倍増させようとしています.おそらく,近隣の途上国が順調に成長していけば十分達成可能な目標でしょうね.観光庁の統計によると,2007年の観光客数は835万人で,前年比+13.8%と大幅に増加しています.

 近年注目されているキーワードとしては,サステナブル・ツーリズム,エコツーリズムがあります.どちらも似たようなものですが,環境に配慮し,自然に負荷をかけないような旅行のあり方が模索されています.

 徳島の観光についてまず言及すべきは,全国でも最下位クラスの観光による恩恵を受けていない県です.徳島での宿泊者数は奈良よりわずかにマシなワースト2です.奈良県同様,観光客は来るけれど素通りされてしまう(宿泊してもらえない)県のようです.また外国人観光客は,日本に来る外国人の約400人に1人しか来ません.
 それでもトータルとしては徳島に来る観光客数はわずかながらも増加を続けています.
 徳島は観光客の少ない県ですが,逆に言えば伸びしろのある県だと思います.問題点は,徳島の一番の売りである阿波踊りによる観光客の増加は見込めないという点です.阿波踊りの時期は観光客が多いのですが,その期間はすでにホテルはどこも一杯ですが,だからといって客室数を増やしてしまうと,他の時期の稼働率が低くなってしまいます.つまり阿波踊りに頼らず,他の時期の観光客数を増やすことが課題です.

 ということで,次回までの課題として以下の4点を考えてもらいます.
・阿波踊り以外の観光の目玉を探す
・海外からの観光客数をどうやって増やすか
・徳島県内にエコツアーはあるか?なければ考える
・長野県の観光客数はなぜ多いのか

0 件のコメント: