2009年5月30日土曜日

経済学Ⅱ 第7回

 今回は損益分岐点と操業停止点についての説明でした.

【授業の内容】
 これまでは主に表に具体的な数値を書き込んで,どうすれば最も利潤が大きくなるかを考えてきましたが,今回は図を用いて,企業の最適な生産量,その時の収入,費用,利潤などを確認しました.また,その中で,損益分岐点と操業停止点というものを説明しました.
 損益分岐点とは,その価格を下回ると(どんなにがんばっても)利潤が赤字になってしまう価格のことです.逆にこれを上回れば(うまく生産すると)利潤は黒字になります.具体的には,限界費用と平均総費用が等しくなる点でした.この点では,価格と平均総費用が同じになります.つまり,販売する財の1個あたりの得られる金額(価格)と,生産にかかる1個あたりの費用(平均総費用)が同じなので,利潤は0になります.
 操業停止点とは,その価格を下回ると(どんなにがんばっても)利潤が赤字であるだけではなく,その赤字は生産を一切停止した時に発生する費用(固定費用)よりも大きいため,生産(操業)を停止すべきです.逆にこれを上回れば利潤は黒字,もしくは赤字であっても操業を停止した際の赤字よりはまだマシ,というものです.つまり操業すべきかどうかを決定するような価格のことです.具体的には,限界費用と平均可変費用が等しくなる点です.この点では,生産したことにより得られるお金(収入)と,生産することにより発生するお金(可変費用)が等しくなります.そのため,操業してもしなくても,固定費用分だけの赤字が発生します.

 このように,限界費用,平均総費用,平均可変費用の3つがわかれば,どれだけ生産すべきか,赤字か黒字か,操業すべきかすべきでないか,が一瞬でわかるようになります.今回の内容は必ずテストでも出します.そのため,次回は練習問題を用意しておきます.

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