2009年5月24日日曜日

経済学Ⅱ 第6回

 1日空けて,また経済学Ⅱです.ややこしい所なので集中して説明できて良かったです.

【授業の内容】
 前回同様,企業行動についての分析です.今回は大企業をイメージして,短期においてどのように生産するのか考えました.

 短期における大企業では,少量しか生産しない場合は非効率的です.どんどん生産量を増やしていくほど,効率的に,つまり安く生産できるようになります.このように大量生産することで,安く生産できることは,スケール・メリット(規模の経済)と呼ばれます.スケール・メリットは身近な所にも存在します.例えば,皆さんがお弁当を作る時もそうでしょう.自分のお弁当だけ作ろうとすると,1つ当たり500円ぐらいかかってしまうかもしれません.しかし同時に兄弟の分も作れば,1つ当たりのコストはもっと安くできるでしょう(300円ぐらい?).あるいは家族全員のお弁当を作ればもっと効率的に(安く)できるはずです.
 さて,いつまでもこのスケール・メリットが続くわけではありません.なぜなら短期,つまり生産設備が一定であるという仮定をしているからです.皆さんのおうちの台所も,何十人分のお弁当を作れるほど巨大ではありませんよね.最適な規模を超える量の生産をしようとすれば,どうしても非効率的にならざるを得ません.

 このような想定の下に,今回も地道に計算しました.今回もポイントは,価格と限界費用の関係でした.価格よりも限界費用の方が低い場合,新たに1個生産すると,その差額が儲け(利潤が増える)になりますし,逆の場合に生産すると利潤は下がってしまいます.つまり,価格と限界費用が等しくなるまで生産するのが最適な行動でした.
 さて,次回は「赤字なのに生産する」という不思議な現象を解明しましょう.そのための道具として,平均総費用平均可変費用を前もって説明しておきました.

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