2009年6月28日日曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第11回

 今回は余剰分析でした.次週も余剰分析をします.

【授業の内容】
 余剰分析は,ある変化が国全体にとって望ましいものであるかどうかについて判断するための材料を与えてくれます.
 まず消費者余剰と生産者余剰から説明しました.消費者余剰は,消費者が払っても良いと思っている価格と実際の価格とのギャップ,生産者余剰は,生産者が売りたいと思っている最低価格と実際の価格のギャップで表されます.それぞれが大きくなればなるほど,消費者にとって,生産者にとって望ましい状況です.またその2つを合わせたものを社会的余剰と呼びました.この大きさで,社会全体にとって望ましい変化であるかどうかを判断します.(注:今回の講義の範囲では,社会的余剰=消費者余剰+生産者余剰,として良いのですが,厳密に言うと,社会的余剰=消費者余剰+生産者余剰+税収-補助金,です.)
 これらの消費者余剰,生産者余剰,社会的余剰は,需要と供給が直線で表されるときには,簡単な計算で求めることができました.

 厚生経済学の第一基本定理より,競争的な市場で価格と生産量が決まれば,社会的余剰が最大になることがわかりました.では,そうじゃない場合(社会的に望ましくない場合)とはどんな状況なのでしょう?

 今回は数量制限と価格制限によって社会的余剰がどれだけ減るか(=死荷重がどれだけ発生するか)を考えました.

 次回は税金を課すケースを考えます.

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