2009年10月17日土曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第4回

 今回から独占市場です.独占市場のうち,複占のところでゲーム理論を使うから,ナッシュ均衡がどんな概念だったか忘れないでくださいね.

【授業の内容】
 独占市場とは,売り手の数(もしくは買い手の数)が少ない市場のことです.授業では売り手独占(売り手の数が少ない場合)をとりあげます.独占市場には様々な形態があり,売り手が1社だけの場合を完全独占(狭義の独占)と呼び,その他,売り手が2社の複占,売り手が数社の寡占(かせん),売り手が多数(だけど一時的な独占である)独占的競争に分類されます.

 今回は上記のうち,基礎となる完全独占について学びました.完全独占と対極にあるのは完全競争市場です.完全独占は売り手が1社だけなので競争はまったくありません.対して完全競争は(その名の通りですが)競争は熾烈です.
 完全競争市場では企業には,価格の決定権はありません(価格受容者).市場で決まる価格を受け入れることしかできません.対して完全独占では売り手が,自分にとって最も都合が良いように(利潤が最大になるように)好きな価格をつけることができます(価格決定者).
 さて,では利潤が最大になる価格とはどんな価格なのでしょう.これを考えるときに必要となるのが限界収入と限界利潤という概念です.限界収入とは「新たにもう1単位生産したときの収入の変化分」のことであり,限界費用は「新たにもう1単位生産したときの費用の増加分」のことです.この2つを比較することで最適な生産量がわかります.なぜなら,限界費用より限界収入が高いのであれば,生産すればするほど利潤が増えるからです.逆に限界費用より限界収入が低いのであれば,生産を減らした方が利潤は増えます.つまり,これらから「限界収入と限界費用が等しくなるように生産する」ことにより,利潤が最大になります.また,独占企業は,この生産量分の需要があるような価格をつけることになります.
 後は,数値例を使って,最適な生産量,そして最適な価格を導き出せるか,ということですが,みんなの様子を見る限りだと,だいたいできてそうでしたね.

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