2007年11月13日火曜日

経済学A 第9回

 今日はちょっと趣向を変えて,経済学っぽく見えない内容です.でもゲーム理論はいまや経済学から切り離すことのできない一大領域です.心理学科のみなさんも,思わぬ所で出くわすかもしれませんね.

【授業の内容】
Game.1 囚人のジレンマ
 まずは有名な「囚人のジレンマ」ゲームです.プレイヤー同士が協力できない状況で,互いに自己の利得を増やすことだけを目的とすると,結果として両者にとってあんまり良くない結果になりました.結果だけを見れば「もっと良い結果だってあるのに」と思うかもしれませんが,両者が合理的に行動した結果です.

Game.2 戦略の逐次消去
 次のゲームも同じく,使い途のない戦略を消す(戦略の逐次消去)という方法で答えを出しました.この解法は直感的に理解しやすいという利点はあります.しかし,この解法には限界があり,以下のゲームはこの解法では解けません.

Game.3 ナッシュ均衡
 ゲームによっては戦略の逐次消去で解けない場合がありますが,ナッシュ均衡はより強力なので,そういう問題も解ける場合があります.
 ナッシュ均衡とは,両者の戦略が互いの戦略に対する最適反応になっているような戦略の組合せです.これまではすべて利得表で考えましたが,ナッシュ均衡はそうでない場合にも応用可能です.

Game.3.5 ホテリング・ゲーム
 海岸線のどこに海の家を建てるべきか,というこのゲームでもナッシュ均衡で最適な答えを導くことができました.大事なポイントは,両者とも,ライバルの行動を予測することです.

Game.4 展開型ゲーム(逐次手番ゲーム
 これまでの問題はすべて同時手番,つまりジャンケンのように両者が同時に戦略を決定するゲームでした.しかし,テニスや麻雀のように順番に行動するゲームも存在します.ここではスーパー2社が出店と値引きで争うゲームを考えてみました.脅しは空脅しであることが見破られると意味がないことがわかりましたね.この手のゲームは後ろ向き帰納法で解くことができます.

Game.4.5 1万円配分ゲーム
 最後に余った時間で1万円をいかに配分するかというゲームを考えました.こちらも逐次手番ゲームなので,後に行動するプレーヤーの反応をまず先に考え,その後最初に行動するプレーヤーの戦略を予想します.

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