2007年11月16日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第9回

 えー,山場が終わったので今回も低いテンションでお送りしました.それより次回は中間テストです.計算問題をしっかり復習しましょう.

【授業の内容】
 今回は外部性を説明しました.市場の失敗の例として,独占,公共財に続いて3つ目ですね.
 外部性とは,ある経済主体(個人や企業など)の間で行われる経済活動が,その活動とは関係のない第3者になんらかの影響を及ぼすことです.外部性が発生すると,社会的に望ましい資源配分が行われません.授業では教育投資が過小になったり,環境を汚染する企業が過剰に生産することなどを説明しました.

 その外部性ですが,いくつかの視点から分類できます.
 まず,第3者への影響が良い影響である場合は外部経済,逆に悪い場合は外部不経済と言います.教育は外部経済だけど,公害は外部不経済ですよね.教育は外部経済だと言いましたが,大学ができるとその周辺の住民にとってはうるさくなるから外部不経済が発生するでしょうし,周辺の商店にとっては客が増えるので外部経済になるでしょうね.
 次に,外部性が伝わるルートによる区分として,第3者へ直接的に影響を及ぼす技術的外部性と,市場を通じて影響を及ぼす金銭的外部性があります.
 また消費における外部性として,スノッブ効果バンドワゴン効果を説明しました.スノッブって言葉は最近あんまり聞きませんね.ちなみにwikipediaのスノッブの項によれば,
 スノッブ(snob)は一般に俗物、またスノビズム(snobbism)は俗物根性と訳される。
多くの場合、次のような意味で使われる。知識・教養をひけらかす見栄っ張りの気取り屋。また、上位の者に取り入り、下の者を見下す態度を取る嫌味な人物。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%83%E3%83%96
 とあります.個人的にはスノッブ効果はかなり感じますね.世間で人気があるものはとりあえず避けようと思ってしまいます.バンドワゴン効果は携帯などで見られますね.

 最後に外部性への対処を3つ説明しました.
補助金,課税
 これらは通称ピグー税と呼ばれます.税金をかけることで外部性の発生元である主体に外部性を内部化させることができます.つまり他人事から自分の事に変えさせるわけです.
内部化
 外部性を自ら取り込んでしまうことです.授業ではJRの駅が外部性である集客力を利用して駅ビルを建てることを例に挙げました.
交渉
 最後の交渉では,コースの定理がよく知られています.コースの定理についてはテキストにも詳しく書いてありますよ.

【お知らせ(確認)】
 テストの範囲は第7回の講義までです.完全独占と複占の計算は必ず出しますので,きちんと復習しましょう.

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