2008年10月16日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第5回

 今回も完全独占です.

【授業の内容】
 前回,完全独占市場における企業の行動はある程度説明したので,今日は応用として,完全独占市場と完全競争市場の比較,完全独占により発生する死荷重,課税の効果などを説明しました.

 完全競争市場では,企業はP=MCとなるように行動しました.完全競争市場では個別の企業に価格を決定する力はなく,市場で決まった価格を受け入れるしかありません.結果,生産量は多く,価格は低くなり,利潤はなくなります.
 対して完全独占市場では,企業は価格の決定権を持っています.自分の利潤が最大になるように生産量や価格を決めることができます.その行動基準は,MR=MCとなるように生産量を決めるというものでした.
 
 完全競争市場と比較して,完全独占市場では過小な生産になり,価格もつり上げられるため,社会的余剰は小さくなります.完全独占は望ましいものではありません.現実の世界でも独占市場に対して独占禁止法(通称)による規制があります.
 今回はこのような企業に対して,生産量1単位あたりいくらの課税を行う従量税を課し,その影響を確認しました.
 ちなみに実際に存在する従量税の例としては,タバコ税,酒税,揮発油税などがあります.
 量に課税する従量税とは対称的に,消費税などは量ではなく価格に対して課税しています.このような税は従価税と呼ばれます.

 今日の例題は復習し,またテスト前には必ず改めて解いておきましょう.

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