2008年10月26日日曜日

経済学A 第5回

 今回は年金です.

【授業の内容】
 これまでに物価と実質値,名目値について説明してきました.今回はそれらの知識を活かして,年金の仕組みについて理解しました.
 
 まず「社会保障とは何か?」からスタートしました.年金は社会保障制度の一環です.社会保障とは,個々人に不幸が降りかかった場合,あるいは自立した生活が困難になった場合,社会全体で助け合おうという考えが社会保障です.年金は,誰しも避けられない加齢により収入が得られなくなったとき,働ける人たちが拠出するお金で生活を助けようというものです.年金以外にも,失業保険,健康保険,労働災害保険,障害者保険,介護保険,生活保護,児童福祉など様々な社会保障制度が存在します.
 社会保障は保険的方法扶助的方法に分類できます.前者は受益者負担,つまり保険料を支払った人のみ救われるもので,上記の例のうち,~保険というのがそれです.年金も年金保険制度です.一方,生活保護や児童福祉は保険料の支払いが給付の条件にはなりません.これらは扶助的方法と呼ばれます.

 さて,公的年金保険制度ですが,少子高齢化と絡めてよく話題に上ります.その理由は,年金制度が事実上,賦課(ふか)方式であるためです.授業では賦課方式と積立方式の違い,そしてそれぞれのメリットとデメリットを紹介しました.なぜ少子高齢化の影響を受けない積立方式ではないかというと,長期間ではわずかなインフレですら積み立てたお金に非常に大きな影響を与えてしまうからです.
 続いて,年金の具体的な話へと移ります.まずはしばしば,2階建てと呼ばれるその仕組みからです.国民基礎年金と呼ばれる1F部分はみんな共通ですが,2F部分は職業により加入できる年金が異なります. 
 さらに具体的な年金制度の話ですが,まぁこの辺は省略します.レジュメを読めばわかる話なので.僕はみなさんに「年金保険料を払え!」とか「~払うな!」ということは言いません.長寿の家系で長生きできると思えば入った方が合理的とは思いますが.

 僕がみなさんに唯一オススメするのは,「学生の間,年金保険料を納めないのなら,とりあえず学生納付特例制度を申請しておけ!」というだけことです. 
 なぜなら公的年金制度は皆さんがイメージする老齢年金以外にも,障害年金や遺族基礎年金といった年金も含んでいるからです.学生時代に部活,あるいは交通事故で障害を負ったとしても,もし年金を支払っておらず,かつ特例制度も申請していない場合は,障害年金を受け取ることができません.
 働きだしたら自分で考えて払うかどうか決めれば良いですが,取りあえず在学中は,この申請だけは出しておきましょう.

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