2008年10月12日日曜日

総合政策演習B1② 第4回

 今回は複占の続きです.複占は解法が4つもあるので覚えることが多くて大変でしょうね.

【授業の内容】
 まず小テストを行いました.今回は複占におけるクールノー均衡を求める問題でした.ちょっと時間がかかりすぎでしたね.

 前回はクールノー均衡,今回はベルトラン均衡とシュタッケルベルグ均衡です.ベルトラン均衡は価格を変数としたナッシュ均衡です.シュタッケルベルグ均衡の考え方は逐次手番ゲームにおける後ろ向き帰納法そのものですね.

 ベルトラン均衡でも(クールノー均衡と同様),まずMR=MCという式を作り出します.ただし,クールノー均衡との違いは,クールノー均衡は,MR,MCともに量で表現して,結果,最適な生産量が導出されます.
 一方,ベルトラン均衡ではMR,MCをそれぞれ価格で表現します.それにより,最適な価格が導出されます.
 つまり,クールノー均衡は生産量を戦略として(生産量を調整して)利潤を最大化するゲームであり,その帰結として価格も自然と決まります.対して,ベルトラン均衡は価格を戦略として(価格を調整して)利潤を最大化するゲームであり,最適な価格が得られれば,それに対応する生産量も導くことができます.

 シュタッケルベルグ均衡は,クールノー均衡と同様,生産量を戦略として利潤を最大化するゲームです.クールノー均衡との違いは,クールノーが同時手番であるのに対して,シュタッケルベルグは逐次手番です.
 つまり,時間の流れとしては,ある企業(A)が最初に生産量を決定し,それを見てライバル企業(B)が自身の生産量を決定するゲームです.ただし,解法は後ろ向き帰納法,つまりBの最適な行動をまず予想し,その予想を基にAが生産量を決定します.
 実際の手順としては,Bに関してMR=MCという式を作ることで,Aの生産量に対するBの最適反応がわかります.これを需要関数に代入した上で,AがMR=MCという式を作り,それを解きます.

 クールノー,ベルトラン,シュタッケルベルグ均衡のそれぞれが,どこが違うか,どこが同じかを意識して,改めて問題を復習しておきましょう.

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