2008年10月26日日曜日

経済学Ⅰ 第7回

 今回は前回に引き続き金融政策です.

【授業の内容】
 今回は具体的に中央銀行が,何を目的として,どのような手法で金融政策を行うのかを説明しました.
 簡単に言うと,貨幣の供給量を増加・減少させることで,物価の安定や景気の安定,さらには金融システムの安定化を狙います.

 ポイントは,どうやって貨幣供給量を調整するかです.授業では3つの方法を説明しました.
1.公定歩合
 まず,公定歩合の操作があります.公定歩合とは,市中銀行が中央銀行に預け入れ,借り入れする際の利子率です.
 公定歩合が下がれば,市中銀行は有利な条件で借り入れができるので,貨幣供給量は増加します.対して,公定歩合が上がれば,市中銀行は借り入れしにくくなります.

2.公開市場操作
 公開市場操作とは,中央銀行が金融機関に国債などを売る(売りオペ),国債などを買い入れる(買いオペ)の総称です.
 売りオペをすれば,貨幣は市中銀行から中央銀行へと流れるために,貨幣供給量は下がります.買いオペはその反対です.

3.預金準備率
 預金準備率とは,市中銀行が顧客からお金を預かった場合,その一定割合を日銀に預けなければならないというものです.預金の規模,種類によりその割合は異なりますが,大体1%ぐらいです.
 この準備率が上がれば,当然ながら貨幣供給量は下がりますし,下がれば逆のことが起きます.

 さて,貨幣供給量が増減すると何が起こるのでしょう.以後は貨幣供給量が増えたとして考えます.減った場合は逆のことが起こるだけなので省略します.
 まず,貨幣供給量が増えると,物価が上がるはずです.民間に貨幣が潤沢に流通しているので,貨幣の価値が下がる,言い換えればモノの値段が上がるからです.
 続いて,貨幣が豊富に流通しているため,企業はお金を有利な条件で借り入れることができます.有利な条件とは低い利子率ということです.利子率が下がれば,投資が増えるという関係は,以前に学んだとおりです.結果,景気は良くなるはずです.

 小テストの出来は余り良くありませんでした.次回,復習しますので確認しましょう.

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