2008年10月30日木曜日

経済学A 第6回

 今回は資産運用のための基礎知識を説明しました.

【授業の内容】
 まず,利息の計算(複利計算)を確認した後,現在価値(現在割引価値)という概念を説明しました.現在の100万円は銀行に預けておけば,1年後にはわずかかもしれませんが増えています.例えばそれを101万円とすれば,現在の100万円は1年後の101万円は同じ価値と言えそうです.現在のお金を将来の価値に換算すると増えるんですね.
 さて,では逆に将来のお金は今の価値に直すといくらなのか,という考え方が現在価値です.時間が経てばお金が増えるのであれば,将来のお金を現在の価値に直せば(時間をさかのぼれば)お金は少し減るはずです.
 この考え方は株式について学ぶ際に,株価の分析方法の1つであるファンダメンタル分析を理解する上で必要です.

 続いて,期待値とリスクの説明をしました.期待値とは,(まだ起きていない出来事について)確率的にはどのような結果になるかを計算したものです.授業では実際に架空の宝くじの期待値を計算しました.一方,リスクとは,世間で用いられているような「危険度」のことではなく,「結果のばらつき(分散)」のことです.心理学科の学生はパッと理解できたのではないでしょうか.
 資産運用には様々な方法(金融商品:株,預金,外貨預金,国債などなど)がありますが,それらはリスクとリターンで比較することができます.ここでいうリターンとは,期待値のことです.

 さて,下準備が整ったところで株の話に入りましたが,まず「人々はなぜ株を買うのか?」を考えてもらいました.「安く買って高く売るためだ!」(これをキャピタルゲインと言います)という人もいますが,将来高くなる,あるいは売買されるには株式に何らかの価値があるのではないでしょうか.
 皆さんに聞いてみると,「配当がもらえる」(こちらはインカムゲインと呼ばれます)という意見がありました.そうです.本来株式とは,出資する(企業にお金を出すこと)代わりに,利益が出た場合に配当が受け取れる権利を示しているものなのです.

 最後にちょっとだけ株式の分析方法を説明しました.ファンダメンタル分析とテクニカル分析です.それぞれよく「株式入門」て感じの本に出てきます.テクニカル分析が好きな人に言わせればそれなりに根拠があるのかもしれませんが,テクニカル分析がこれだけ流行っている最大の理由は「とっつきやすいから」だと僕個人は思っています.

 アンケートの結果,来週も株の話をすることにしました.

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