2008年10月16日木曜日

経済学Ⅰ 第6回

 今回から金融です.

【授業の内容】
 まず基礎として,「お金って何か?」という当たり前のようなことから始めました.
 普通に生きていると,「お金とはお札やコインのことじゃないか,それ以外はお金のはずはないだろ!」と思うかもしれません.しかし,実際にはそのような現金通貨は現在貨幣だと思われているもののわずか7%程度でしかないようです.

 つい数ヶ月前まで,お金と言えばマネーサプライであり,代表的なものはM2+CDだったのですが,現在は貨幣の定義として,マネーストックという概念が用いられています.
 貨幣とは「これが貨幣だ!」ときっちり区別できるものではなく,「貨幣らしさ」をどこまで認めるかでその範囲が変わってくるあやふやなものです.どこまでを貨幣として認めるかを定義するモノとして,今日はM3というものを説明しました.
 まず現金通貨普通預金であるM1があります.これはほとんどの人が貨幣として納得できるものでしょう.現金が貨幣であるのは自明として,普通預金もすぐ引き出して貨幣として使えるので,貨幣に非常に近い性格を持っています.
 M3とはこれらの現金通貨,預金通貨に準通貨とCDを加えたものです.それらはM1ほどの「貨幣らしさ」はないけれど,「まぁ貨幣として認めても問題ないだろう」というものです.M3はM1より少し「貨幣らしさ」の基準を甘くしたものと言って良いでしょう.

 この貨幣の量(マネーストック)を調整することで,物価や景気の安定を図るものが金融政策であり,それを実施するプレイヤーは中央銀行(日本では日銀)です.
 後半は,なぜマネーストックを増減すると,景気あるいは物価に影響があるのかを簡単に説明しました.

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