2007年6月5日火曜日

経済学Ⅱ 第9回

 今回は価格メカニズムについて説明しました.これまで,消費者理論から需要曲線を,生産者理論から供給曲線を導き出しました.その需要と供給を使って,価格が決定される仕組みを学びました.

【授業の内容】
 3つの価格決定メカニズムを説明しました.
・ワルラス型メカニズム
 これはまず価格が決定され,その価格の元での需要量と供給量が決まります.この際に需要の方が多ければ超過需要が,供給の方が多ければ超過供給が発生します.超過需要(売り切れ)が発生すると企業は価格を上げます.逆に超過供給(売れ残り)が発生すると価格を下げます.
・マーシャル型メカニズム
 一方,マーシャル型はまず生産量が決まると考えます.その後,供給価格と需要価格が提示されます.供給価格の方が高ければ(超過供給価格)企業は生産量を減らします.逆に,需要価格の方が高ければ(超過需要価格)企業は生産量を増加させます.
 ワルラス型であれ,マーシャル型であれ,右下がりの需要曲線,右上がりの供給曲線の元では,最終的には需要と供給が一致する点(均衡点)で,価格や取引量が決定されます.
・クモの巣理論
 最後に,生鮮食料品のように値動きが激しい財の価格決定を説明するものとして,クモの巣理論を説明しました.クモの巣理論では,価格を見てどれだけ生産するかを計画してから,実際に生産されるまでに発生するタイムラグを考慮しています.そのタイムラグのために,価格が激しく変動します.また需要曲線と供給曲線の微妙な形状によっては,むちゃくちゃな価格がつく場合もありました.

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