2007年6月12日火曜日

経済学A 第10回

 今日は独占市場(と完全競争市場)についてです.まずは日本企業の2006年の利潤ランキングを見てもらいました.そこから,儲けてる企業はどんな企業なのか?考えてみました.

【授業の内容】
 今日の内容は,次の3つ.
1.独占市場とは?(⇔完全競争市場とは?)
2.イー・モバイルはなぜ携帯事業に参入するのか?
3.新規参入すると何が起こる?

 まずは日本の携帯電話の歴史を振り返ってみました.1年生は,生まれた時にすでに携帯電話が存在してたんですね・・・.さて,その携帯電話ですが,現在は3社により独占されています(厳密には音声通話に関して).来年にはイー・モバイルが参入するわけですが,皆さんの携帯料金はどうなるんでしょうか?
 まず,独占市場を学ぶ前に完全競争市場について学びました.いくつかの条件を満たした市場は完全競争市場と呼ばれます.この市場では利潤が出ません.授業中に「完全競争市場の例はないか?」と聞きましたが,授業後に「本屋はどうか?」という意見がありました.確かに本屋は,財の同質性は完璧ですし,売り手もたくさんいる,自由な参入が認められている,など条件の多くを満たします.というわけで,良い例ですね.平均的な書店の利益率はどれぐらいなのか,知ってる人がいたら教えて下さい.(本当に利益率が低いのか?)
 さて,このような完全競争市場ですが,新規参入が容易なので,もし既存企業が儲けを出していたら必ず他の企業が参入します.すると価格競争になるので,必ず価格は下がってしまい,結果として利潤も下がってしまいます.利潤がある限り新規参入が続くとすると,その結末はだれも儲けがない状態でしょう.というわけで,完全競争市場はそうでない市場(競争が限定的な市場)と比べると儲けにくいようです.
 では,この独占市場はいかにして生まれるのか?ですが,授業では3つ紹介しました.資源独占,政府による独占,自然独占です.また市場が独占されることは,我々消費者にとっても,また社会全体にとっても望ましいものではないので,独占禁止法により独占状態が起きないような制度が多くの国で作られています.

【おまけ】
 実は独占にまつわる話をいくつか用意してたのですが,話せませんでした.興味がある人は次のキーワードを調べてみて下さい.
・ミッキーマウス延命法(ソニー・ボノ法)
・バイオパイラシー(生物学的海賊行為)

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