2007年6月20日水曜日

経済学A 第11回

 そろそろ前期も終わりが近づいてきましたね.残りの3回,何をやろうか思案中です. 文章の最後に今後の授業で取りあげるテーマについてのアンケートがあります.ぜひ意見を聞かせて下さい.

【授業の内容】
 今回は日本の財政と税について説明しました.税と言っても僕は法律は詳しくないので具体的な税制ではなく,税を考える上での視点を紹介するという抽象的な内容でした.
 まず,日本の財政状況ですが,一般家庭であればとうに破産していてもおかしくありません.しかし,日本という国は少なくともしばらく崩壊する様子はありませんね.なぜでしょうか?日本の財政状況を実感するためには財務省の「財務大臣になって予算を作ろう!」をやってみると良いでしょう.
http://www.mof.go.jp/zaisei/game.html
 今の状況で予算を均衡させるには,相当思い切ったことをしないといけないことがわかりますね.

 次に税金について話しましたが,まず税金を分類してみました.どこに納めるかによって国税と地方税に分かれ,どうやって納めるかによって直接税と間接税の違いがあります.この直接税と間接税の代表として,所得税と消費税を取りあげ,それぞれの税金がどんな性質を持っているのか説明しました.どちらも我々からお金を奪う?という意味ではありがたくないわけですが,所得階層が違えば所得税と消費税が持つ意味も変わってきました.それを考える視点として,公平性と公正性という概念を説明しました.
 皆さんの中には,なぜか「日本は税金の高い国だ!」というイメージが刷り込まれているのではないでしょうか?(マスコミのせいか?)しかし,国民負担率や潜在的国民負担率という指標から見ると,日本はむしろ税金が安い国であるようです.だからといって「日本は税金が安いから良い国だ!」と結論付けるのは安易です.
 最後に大きな政府と小さな政府について説明しました.実はほとんど第3回の講義の復習ですけどね.税金が安い国というのはその見返りも少なく(低福祉),言わば格差が生じやすい国であり,政府がしっかりと面倒を見てくれる(高福祉)国は当然ながら税金もしっかり取られてしまうわけです.皆さんは税金が高い安いで一喜一憂するのではなく,税金の見返りにどんなことをしてくれているか,という収支のバランスでその時の政府を判断するべきです.国としては大きな赤字があるのに選挙前になると「税金を安くしますよ」と甘い声を聞くこともありますが,国の借金はいつかは国民が返済しなければならないことを理解しておきましょう.今税金が安くても将来税金が高くなるなら,まさに朝三暮四です.賢い有権者になりましょう.

【アンケートと告知】
 授業では「社会保険庁の人は忙しくて来てもらえない」と言ったのですが,その後電話があり,なんとか来てもらえることになりました.7/10,つまり最後の講義ですが,この日は年金についての講演+僕の講義となる予定です.
 すると残る2回ですが,今の予定だと「少子化問題」と「開発経済学」についてやろうかなと思っています.どちらも僕の好みなので,皆さんが他に興味があることがあればそれについても考慮しますので,このブログになんでも良いからコメントを書いて下さい.
(例:「金融について知りたい」,「グローバリゼーションに興味がある」など)
 なんでも講義できるわけではありませんが,希望があればなるべく考慮します.なお,無記名で結構です.

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私も少子化にすごく関心があるので、是非お願いします。

水ノ上 智邦 さんのコメント...

コメントありがとう。

少子化は必須の内容でもないし、どうしようかと悩んでいたところでした。
せっかく反応があったので、来週は少子化について取りあげることにします。