2007年6月5日火曜日

経済学A 第9回

 今日はゲーム理論入門でした.抽象的な世界の話ですので,みなさんはなかなか現実世界から抜け出せずに戸惑っていた様子でした.最初にもう少し詳しく説明するべきだったなぁ,と反省しています.

【授業の内容】
 今日は合計7つのゲームを行いました.
Game.1 囚人のジレンマ
 ゲーム理論ではかなりベタなゲームです.まずシンプルなゲームで,ルールを学びながら合理的な選択の仕方を考えました.非協力ゲームであるために,囚人たちは長い懲役を受けていました.
Game.2 戦略の逐次消去
 ルールは先ほどとまったく同じで,少しややこしくなりました.使い途のない戦略を探し,それをどんどん消していくと,両者の戦略が決まりました.
Game.3 ナッシュ均衡
 戦略の逐次消去では答えが出せない問題をナッシュ均衡という概念で解きました.ナッシュ均衡はややこしい概念ですが,理解できたでしょうか?やや気がかりです.
Game.3.5 ホテリングのゲーム
 ナッシュ均衡の概念を確認するために,海の家立地ゲームを考えました.パッと答えを出す学生もいましたね.なかなか鋭いようです.
Game.4 展開型ゲーム(逐次手番ゲーム
 学生と僕(水ノ上)によるゲームでした.学生が授業をどんな態度で受けるかを観察した僕がテストの難易度で学生に反撃します.もちろん架空の話なので,うるさい学生に対する脅しというつもりは(あまり)ありません.解き方のコツは後に戦略を選ぶ人の方から考えていくんでしたね(後ろ向き帰納法).
Game.5 最後通牒ゲーム
 1万円を学生と僕(水ノ上)とで分けるこのゲーム,意外とみなさん優しいですね.しかし,ゲームという抽象的な世界にきっちりとのめり込めていない証拠でもあります.もっと合理的に容赦なく戦略を決定しましょう.しかし,これも完璧な答えが学生からでましたね.素晴らしい.
Game.6 おまけ
 みなさんの周りにいる同級生が合理的かどうか?を判断するこのテスト.ルールは0~100までの数字を1つ選んで出席カードの裏に書きます.みんなが書いた数字の平均に0.8を掛けた数字にもっとも近い数字を書いた人に点数をあげます.みんなが合理的に判断するのであれば,0を書くのがもっとも合理的ですが,人間はそれほど合理的ではありませんね.そしてルールをちゃんと理解していない人もいるでしょうからね.まだ計算してませんが,おそらく30ぐらいになるのかなぁ?という気がします.

【おまけ】
 参考文献に挙げた,渡辺隆裕著「図解雑学ゲーム理論」は数式も出てこないし,初学者にも読みやすいと思います.図書館にあるので関心のある方はどうぞ.

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