2007年6月25日月曜日

経済学Ⅱ 第12回

 市場の失敗の途中ですが,一時中断して今回はゲーム理論を学びました.なぜなら,ゲーム理論の考え方を知ることで,来週の独占がより理解しやすくなるからです.

【授業の内容】
 まずゲーム理論で扱うゲームとは何かを説明しました.プレイヤーが複数おり,相手の取る行動(戦略)が自分に影響を与えるものでした.授業で説明した言葉を使えば,相手の戦略が自分の利得になんらかの影響を与え,自分の戦略も相手の利得に影響を与えます.この定義によれば,ジャンケンやテニスなどは明らかにゲームですが,1人でテトリスをすることはゲームではありません.
 まず,Game.1として囚人のジレンマを考えました.相手と相談ができない状況(非協力ゲーム)でお互いが自分の利得を増やすことだけを目的として行動すると,両者とも比較的長い懲役をくらってしまいました.
 Game.2も同様に,まず使い途のない戦略(支配される戦略)を消してみます.すると,どんどん選択肢が狭まり,ついには両者とも戦略が1つに定まりました.ただし,このような解法(支配される戦略の逐次消去)が常に使えるとは限りません.
 Game.3では,支配される戦略がないゲームをナッシュ均衡を用いて解きました.ナッシュ均衡の概念はややこしいですが,問題を解くのはそれほど大変ではないはずです.ついでにGame.3,5として,海岸での立地ゲームを考えました.答えはまさにナッシュ均衡そのものです.
 続くGame.4では,それまでの同時に戦略を決定するゲーム(同時手番ゲーム)ではなく,プレイヤーの行動に順番があるゲーム(逐次手番ゲーム)を見ていきました.2つのお店が値下げ合戦を行うゲームを後ろ向き帰納法で解きました.最後に逐次手番ゲームの例として,お金の分配ゲームを紹介しました.これも後ろ向き帰納法で考えられる問題でした.

 ゲーム理論を駆け足で紹介しました.もうちょっと深くやろうとすると,どうしてもややこしい計算が出てくるのですが,基本的な考え方は今日の講義で十分に説明できたと思います.今日学んだような合理的な考え方は現実社会でも応用できるのではないでしょうか?

0 件のコメント: