2007年6月5日火曜日

経済政策論 第9回

 今回は仮想通貨の続きですが,実際には電子マネーのみを取り扱いました.かなりの難問であるにもかかわらず,みんながんばって予習してましたね.僕も予習が大変でした.

【授業の内容】
 軽く復習した後,まず架空通貨の流通が現実経済に与える影響,特に金融市場への影響について発表してもらいました.
 様々な意見がでましたがまとめると,電子マネーが発行されるとマネーサプライが増加する.また同時に決済に現金が不必要となるため貨幣需要が下がる.つまり貨幣の供給が増える一方で需要は下がるために,利子率が下がり金融緩和と同じ効果を持つ,ということになりました.
 また電子マネーの普及についての是非については,反対派が多いようです.といっても,積極的な反対派というより,「なくても困らない」という消極的な反対意見が大勢を占めました.また電子マネーは「そもそも怪しい」という意見もありました.つまり,お金ではあるが,その価値を保障するのは民間企業であり,信頼に足るのか?という意見でした.
 逆に賛成派の意見としては,現金を扱わないことでセキュリティーの効果がある,また十分に普及すれば(改札が無人になるなど),将来的にはコスト削減効果もあるのでは,という意見がありました.
 僕からのコメントとしては,せっかく金融市場への影響を調べたのだから,マネーサプライのコントロールについても言及して欲しい,というものでした.いずれにせよ,かなりの難問でしたね.僕も専門家の先生に伺ったり予習をしたのですが,問題山積という感じでした.

【課題】
 次週は,関心のあるニュースについて調べ,各自5分程度で発表してもらいます.新聞などを配布する場合は2限に僕のところに提出して下さい.

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