2009年4月16日木曜日

経済学Ⅱ 第2回

今回は需要曲線の導出について説明しました.
【授業の内容】
 まず,経済学Ⅱの講義の大半で前提となる完全競争市場と,その条件(5つ)について説明しました.またその条件が満たされない場合についても説明しました.いずれにせよ,完全競争市場とは,売り手の間での競争が熾烈であり,どの企業も利益を得ることができないような状況です.

 さて,このような財市場におけるプレイヤーの一方である消費者は何を目的として行動するのでしょう.ここでは消費者は効用を最大化することを目的に行動(消費)しているとします.しかし,なかなか効用(幸せのようなもの?)を大きくすることはできません.なぜなら現実世界には様々な制約があるからです.
 制約の話に入る前に,まず効用がどのような性質を持っているのか学びましょう.授業ではパンの消費を例に効用がどのように変化するのか調べ,図にしました.ここに限界効用という概念を持ち込むと,限界効用は徐々に減少していくという傾向があることがわかりました.これは限界効用逓減の法則と呼ばれます.しかし,中毒性がある財などは例外的に限界効用は逓減しないようです.
 ここで用いた"限界"という言葉は今後もしばしば出てきます.経済学における限界とは,我々が普段話す「体力が限界だ」という意味ではないことに注意しましょう.

 さて,限界効用の図を金額表示にしてみると,個別需要曲線が導かれました.さらに,多くの人の個別需要曲線を足し合わせてみると総需要曲線が得られました.次回はこの総需要曲線を用いて話を進めます.

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