2009年4月22日水曜日

経済学Ⅱ 第3回

 今日は弾力性と,財の種類について説明しました.

【授業の内容】
 前回,需要とは何かを学びました.その中で需要曲線が出てきましたが,需要曲線の傾きは何を意味しているのでしょう?価格が変化すると需要が極端に変化する財もあれば,あまり変化しない財もあります.例えば,生活必需品である電力は値上げされてもそれほど需要は減らないでしょうし,逆に値下げされても電気を無駄遣いすることは考えにくいでしょう.この電力のように価格の変化が需要に反映されにくい場合は,需要の価格弾力性が低い言われます.逆に価格の変化により需要が大きく変わる場合は弾力性が高いと言います.つまり値上げ・値下げに敏感かどうかということですね.需要の価格弾力性は厳密に言うと,価格が1%変化した時に需要が何%変化するかを示すものです.授業では弾力性の計算をしましたね.

 企業の中にはこの弾力性を用いて価格設定をしている企業もあります.消費者の弾力性が高いようであれば値下げをし,弾力性が低ければ値上げをします.最近,様々な小売業の企業が値下げをするニュースを見かけます.消費者の弾力性が高くなりつつ(値段に敏感になりつつ)あると考えているようですね.
 さらにこの弾力性の考えを応用すれば,消費者毎に別の価格を付けると儲かることもわかります.弾力性の高い消費者グループには低い価格を,弾力性が低いグループには高い価格を付けることで,企業は収入を増やすことが可能です.この例としては学割などがありますね.例えば大学の近くにも学割をしている飲食店がありますし,パソコンのソフトにはアカデミックパックがあります.

 後半は,財の種類について説明しました.まず,所得から見た消費という点から,上級財と下級財を説明しました.上級財は所得が増えると(減ると)消費が増える(減る)という財で,簡単に言うと贅沢品ですね.世の中の多くの財は上級財です.逆に所得が増えると(減ると)消費が減る(増える)財もあり,こちらは下級財と言われます.例としては中古車やカップラーメンなど,どちらかというと廉価品(安物)ですね.
 続いて,価格と消費という点から,ギッフェン財を紹介しました.世の中のほとんどすべての財は価格が上がれば(下がれば)需要は増える(減る)のですが,非常にレアなケースとして,価格が上がれば(下がれば)需要が減る(増える)財があります.これはギッフェン財と呼ばれます.ギッフェン財は下級財の仲間です.先週学んだ需要曲線は右下がり(価格が下がれば需要は増える)でしたが,ギッフェン財に限っては右上がりになります.まぁほとんどないので深く考えなくても構いませんが.
 さて,最後に情報という点から財を分類しました.財は,購入前に品質についての情報が手に入るもの(探索財),購入後にしか品質についての情報が手に入らないもの(経験財),購入しても品質についての情報が手に入らないもの(信用財)の3つに分類できます.探索財の例としては試着できる服や立ち読みできる雑誌などがあります.経験財の例としては,新発売のお菓子などがあります.信用財の例としては医療サービスがあります.また宝石という意見も出ましたが,確かにそうですね.僕には審美眼がないので,宝石なのかガラス玉なのかわかりません.

 次回は,無差別曲線と呼ばれるものについて説明します.

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