2009年4月28日火曜日

経済学A 第3回

 今回はこれまでと少し変わって,ガッチリと経済学の話をしました.なかなか正面から向き合って勉強する機会はないでしょうが,知っておくべき社会常識だと思います.

【授業の内容】
 最近景気が悪い話が続きますが,「景気って何だ?」という所からスタートしました.その中でも特にGDP成長率と呼ばれるものについて詳しく説明しました.
 GDPとは国内総生産,つまり1年間にその国の中でどれだけ付加価値が発生したのかを示したものです.付加価値については具体例を挙げて説明しましたね.GDPは生産力を示すものであると同時に,一国の経済力を表すものだと考えて良いと思います.GNPとの違いも一応説明しました.

 さてそのGDPですが,生産力であるので,供給だと考えることもできます.前回も需要と供給って出てきましたね.では需要は何かというと,ここでは総支出がそれにあたります.この総生産,総支出,さらに総所得の大きさが同じであることを三面等価の原則と呼びます.また総支出の内訳は次のようになっていることを説明しました.
総支出=民間消費+民間投資+政府支出(+輸出-輸入)
なお,カッコ内は純輸出と呼ばれることもあります.日本ではカッコ内の純輸出はプラマイゼロに近いです(プラスですが他の項に比べるとかなり小さい,ただし直近ではマイナスになったというニュースも!).

 やや難しいですが,上記の関係を理解していれば,政府が行う様々な政策の持つ意味がなんとなく理解できます.最近の例では,定額給付金の支給は総支出のうちの民間消費を刺激して,景気を回復しようと思っているのでしょうね.ただし,僕は効果についてはかなり限定的だと思っています.

 後半は,経済の地図を書きました.重要なプレイヤー4つ(家計,企業,政府中央銀行)と,サブプレイヤー1つ(市中銀行)の相関図を書きました.来週はこれらの知識を基に,経済学が歩んだ歴史(でもあり経済の歴史でもあります)を見ていくことにしましょう.「規制緩和」,「市場原理主義者」,「神の見えざる手」,「民営化」など(たぶん)聞いたことがあるフレーズが出てきます.

0 件のコメント: