2007年10月25日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第6回

 今回は後半の山場とも言える複占です.「半分ぐらいはついてきて欲しいなぁ~」と随分悲観的に臨んだ講義だったのですが,嬉しいことにほとんどの人が最期までついてきてくれた様子でした.5限という時間帯のハンデを考えれば大成功です!良かった良かった.

【授業の内容】
 さて,その内容ですが,前回が1社のみが独占する完全独占であったのに対して,今回は2社が市場を独占する複占です.このような状況でお互いが自社の利益を最大化することを目的として生産量を決めるとどのようになるのか説明しました.

 前回との違いは,相手が存在することです.相手が生産しないのなら自分だけが高い値段で客に売りつけることができますが,ライバルがたくさん生産してしまうと値段が下がってしまうので,あまり生産するわけにいかなくなります.このようにライバルの行動が自分の利益に影響を与え,自社の行動がライバルの利益にも影響を与え合う,まさしくゲーム理論で学んだゲーム的な状況を分析しました.

 とはいえ,両者の最適な行動の指針は「限界収入=限界費用」というルールに則って行動することでした.両者の収入はライバルの生産量の影響を受けるため,限界収入を導出するには,偏微分と呼ばれる種類の微分を使うことになりました.みんな偏微分はできたようですね.

 さて,両者が「限界収入=限界費用」となるように行動すると,相手の生産量さえわかれば,自社の最適な生産量がわかるという反応関数というものが得られました.
 最後は両者の反応関数を用いてナッシュ均衡を見つけ出しました.この複占ゲームにおけるナッシュ均衡クールノー均衡,あるいはクールノー=ナッシュ均衡と呼ばれます.利得表が出てこないので一見ゲームっぽく見えませんが,考え方がナッシュ均衡である点に注意して下さい.

【課題】
 授業後に配った例題はできれば今日,遅くとも今週中にやりましょう.なぜなら解法を忘れるからです!模範解答は今週中にHPにアップしておきます.

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