2007年10月29日月曜日

経済学Ⅰ 第6回

 今日から金融の話です.しばらくの間,メインとなるプレーヤーは中央銀行(日本銀行)です.今回は金融の最初の一歩として,「お金とは何か?」を考えました.

【授業の内容】
 「お金とは何か?」と言われても「お金はお金だろ」と思うかも知れませんが,皆さんが考えるお金とはお札や硬貨のことですよね.しかしこれらは経済学で考えるお金のほんの1割程度にしか過ぎません.むしろそれ以外の何かが圧倒的に多いのです.
 さて,その答えを出す前に,まずは「貨幣はなぜ必要なのか?」,「貨幣の誕生と役割」,「貨幣はなぜ価値を持つのか?」などについて説明してきました.特に「貨幣がなぜ価値を持つのか?」に対する答えとして信用という言葉を用いました.この言葉は今後も登場します.
 さて,お金とは何か?つまりお金の定義ですが,絶対的な定義はありません.しかし,多くの人が「まぁこれをお金としておくか」と認める妥協点があります.それがM2+CDと呼ばれるものです.現金通貨はマネタリー・ベースと呼ばれ,もっとも厳密な意味でのお金ですが,普通預金や定期預金など,現金通貨ほど「お金らしさ」はないものもお金として認めています.
 定義によってお金の量(マネーサプライ)は異なりますが,いずれにせよ貨幣を特徴付けるものは流動性である,と説明しました.

 来週は日本銀行がこのマネーサプライを操ってどのように我々の生活に影響を与えるかを見ていきます.

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