2008年6月6日金曜日

経済学Ⅱ 第9回

 今日は価格メカニズムについて説明しました.

【授業の内容】
 これまでに消費者理論と生産者理論を通じて,右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線が描けることがわかりました.今回はそれらを用いて,どのように価格が決定されるのかを,3つの理論により説明しました.

 まずはワルラス型価格調整メカニズムです.これによれば,まず生産者は価格を決定します.それに応じて需要と供給量が決まります.需要の方が多い場合(超過需要),生産者は価格を上げます.逆に供給の方が多い場合(超過供給)は,売れ残りが発生しているので価格を下げます.

 しかし,このワルラス型によれば,価格さえ決まれば生産量はあっという間に変更できるようです.現実は価格が変動してもそう簡単に生産量は変わらない,というのが次のマーシャル型です.
 マーシャル型では,対称的にまず生産量が決まります.それに応じて,生産者が売りたい価格(供給価格)と消費者が買いたい価格(需要価格)が決定します.前者が後者を上回れば(超過供給価格),生産者は生産量を減少しますし,逆の場合(超過需要価格)は生産量を増加します.
 なお,ワルラス型でもマーシャル型でも通常の右下がりの需要,右上がりの供給曲線のもとでは結果は同じです.どんな価格,どんな生産量からスタートしても,必ず均衡に向かって収束します.

 最後に,野菜のように価格の上下変動が激しい財の価格を説明するものとして,クモの巣理論を紹介しました.これは,生産決定から生産までに時間がかかり,かつ保存の効かない財について説明するものです.生産開始から完成(収穫)までタイムラグがある場合,生産を決めた根拠となる価格と実際に販売する時の価格が変わってしまうため,大きな変動を生み出してしまいます.
 クモの巣理論は図の描き方もシビアで少々わかりにくかったかもしれませんね.

 ちなみに今回の小テストの答えは,20個の超過供給が発生する,価格は下がる,が正解です.答え方はともかく,大体わかってそうでした.

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