2008年6月9日月曜日

経済政策論 第8回

 今回から新しいトピックであるガソリン税です.

【授業の内容】
 他の授業でも,今の関心事についての質問をすると「ガソリンはなぜ値上がりするのか?」という学生が多かったです.やはり身近ですもんね.

 さて,僕もこれまで授業で「税」について話をすることはありましたが,ガソリン税に限定して話したことがないので,「1時間持つかな?」と少々不安でしたが杞憂に終わりました.
 まず「ガソリン税って何だ?」から始めました.ニュース等でもガソリン税という言葉が使われますが,正式には揮発油税と地方道路税と呼びます.両者を合わせてガソリン税と呼ばれることが多いようです.
 この揮発油税と地方道路税は多くの点で共通している税です.共通点は次の通り.
1.国税である(⇔地方税)
2.間接税である(⇔直接税)
3.目的税,道路特定財源である(⇔一般財源)
4.従量税である(⇔従価税)
5.1974年からの暫定税率が続いている(一時的な失効はあったけど)

 2007年度は両者合わせて,約3.1兆円の税収がありました.その使途としては,道路整備,地方道路整備臨時交付金,使途拡大分などがあります.
 ニュース等では本来の目的である道路以外に流用されていると,国土交通省がずいぶん叩かれていたようです.たしかにマッサージチェアやミュージカルはいかんでしょうね….
 その他のガソリン税に対する批判としては,間接税であるために経済的弱者に対して負担が重いとして,公正性と公平性の概念も改めて説明しました.

 世間では暫定税率も含めガソリン税は非常に評判が悪いようです.しかし,ヨーロッパの多くの国ではガソリンに対して日本より高い税率が課せられおり,税率を上げるのが潮流のようですが,どうして日本では減税が叫ばれるのでしょうか?減税するとどんなことが起きるのでしょう?またヨーロッパの国々はどうしてガソリン税を高く設定しているのでしょう?
 というわけで,次週の課題は以下の通り.

【課題】
・ガソリン価格(税率)の変化が経済に与える影響
・なぜガソリン価格は騰がり続けるのか?
・環境とガソリンの関係を幅広く調べる

0 件のコメント: