2008年6月13日金曜日

経済学Ⅱ 第10回

 今日は余剰分析でした.

【授業の内容】
 これまで経済学Ⅱの講義では,どうやったら効用が最大になるか,どうやったら利潤が最大になるか,といった話ばかりで,どういう状況が良い状況なのか,という判断には一切触れませんでした.しかし,ようやく道具が揃ってきたので,そういう話ができるようになりました.
 前回までの消費者理論,生産者理論,価格理論の知識を使って,余剰分析をしました.余剰分析とは簡潔に言えば,社会的余剰の大きさをモノサシとして様々な制度や状況を比較分析するものです.
 まずは厚生経済学の第一基本定理を紹介すると共に,もっとも望ましい状況の余剰,つまり競争的な市場で決まる財の価格と量,その元での消費者余剰,生産者余剰を説明しました.

 ただし,このように上手く行くケースばかりではありません.現実の経済は様々な要因により市場は歪められています.市場が歪められる,競争が阻害されるケースを2つに分類しました.
・市場に起因するケース
・政策に起因するケース

 授業では,政策に起因するケースとして,ガソリン税の課税の有無,価格統制の2つを例に,政府の介入がどのように社会的余剰を減少させる(死荷重を発生させる)か確認しました.また,社会的余剰が減るにもかかわらずどうして介入するのかも考えてみました.ガソリンやタバコについての課税は外部性と呼ばれるものと関係ありそうです.時間的に余裕があれば,今後の講義で新ためて外部性についても言及したいと思います.

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