2008年6月23日月曜日

経済政策論 第10回

 今回はトピック4.5?として,環境問題をとりあげました.

【授業の内容】
 前回,ガソリンが環境に悪い,という意見がありました.では,ガソリン税はどのような役割を果たしているのでしょうか?税率を上げるとどうなるのでしょう?

 まず,環境とガソリンの関係を知るために,京都議定書について発表してもらいました.その内容は,「1997年京都で,先進国は温室効果ガスの排出量を,1990年を基準として数%削減する」というもので,国により削減目標が異なります.また途上国には削減義務はないそうです.目標の設定だけでなく,排出量を削減するためのメカニズムが盛り込まれている点も特徴です.僕はこの会議の時,たまたま京都に住んでいました.高校時代の友人が卒論を書くため,はるばる会議を傍聴に来たのを覚えています.

 さて,その削減メカニズムとして,排出量(排出権)取引がありますが,それも前回の課題でしたので発表してもらいました.ここはちょっとわかりづらいので,僕が補足しました.

 ちょっと話を変えて,「地球温暖化対策にはどのようなものがあるか?」について発表してもらいましたが,みんな「身近な省エネ対策」についての発表が多く,政策についての言及が少なかったのが残念です.ただ,代替エネルギーという話も出てきたので,そのままの流れで,最後の課題であるバイオ燃料についての発表もしてもらいました.
 環境問題は,ちょうど先週経済学Ⅱで学んだ,外部性により発生します.外でポイ捨てする人も自宅の庭ではポイ捨てしないでしょうからね.外部性が発生する場合には,最適な資源配分が実現できないので問題ですが,授業ではその解決方法もいくつか紹介済みです.その1つとして内部化があります.環境破壊を外部のこと,つまり他人事ではなく,自分の問題にするシステムが必要になります.排出権取引もその一例で,CO2の排出量を減らすことを自分の利益に,CO2の削減失敗を損失になるような仕組みを作ることで,CO2の発生を内部化するわけです.良くできてますね.とは言え,京都議定書には大国アメリカが批准していない,途上国への義務づけなし,などいくつかの問題があり,京都議定書のその先が模索されているのが現状です.ちなみに日本も2012年までに排出量を6%減らすという目標を達成するのは非常に厳しい状況です.

 来週は消費税になりました.しかし,消費税についてどんなことをやればよいのだろうか…?しばらく悩みそうです.

【お知らせ】
 最後の授業(7/14)はこれまでやったテーマの中から1つを選んで発表してもらいます.またそのための資料も用意して下さい.

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