2008年6月20日金曜日

開発経済学 第11回

 今回は,国際機関からの援助についてでした.

【授業の内容】
 途上国への援助機関を大別すると,国際機関,政府(二国間援助),NGOなどの民間の3つになります.二国間援助については前々回説明したので,今回はNGOと国際機関について説明しました.

 NGOやNPOはいまやそれほど珍しいものではありませんね.ミャンマーのサイクロン被害や中国四川省での震災などの自然災害だけでなく,紛争,貧困など様々な問題の解決のために世界中で数多くのNGOが活躍しています.国境なき医師団は特に有名ですよね.
 他の援助機関と比較した場合のNGOの利点としては,
・きめ細かい援助が可能
・緊急時に迅速な対応が可能
・国際的な相互理解に役立つ
 といった点が挙げられます.
 逆に欠点としては,
・人材不足
・資金源が限定される
 などが指摘されます.

 次に,国際的な援助機関の説明として,国連とそのグループを紹介しました.誰でも一度は耳にしたことがあるUNICEF,IMFやWHOも国連グループの一員です.その中でも特に途上国の貧困について包括的な取り組みをしている機関として,IBRD(国際復興開発銀行)とIDA(国際開発協会),通称世界銀行について詳しく説明しました.
 ちなみに日本もかつては世界銀行などの国際機関から援助を受けていました.東海道新幹線,首都高,黒部ダムなどは援助資金をもとに建設されましたし,日本は借款を返済し終えたのは比較的最近の1990年のことです.

 さて,援助機関の紹介が終わったところで,続いて援助の方法と援助理論について説明しました.
 その中で,Two-Gapモデルと,世銀,IMFによる構造調整政策を中心に説明しました.構造調整政策が失敗した原因を調べることは,途上国の開発政策を考える上で非常に貴重な材料だと思います.

 本当は援助理論のミクロ的側面として,参加型開発についても説明したかったのですが,時間切れで諦めました.

 授業で配付した資料で,今回の参考文献を4冊紹介しています.

【第4回レポートについて】
 第4回のレポートのテーマは,この講義で取りあげる次の4つのテーマの中から1つを選ぶことにします.
・工業化と貿易
・農業
・マイクロファイナンス
・貧困と教育
 このうち貧困と教育はまだ講義していません.なお,テーマに沿っていればなんでも良いわけではなく,もちろん講義した内容を基に構成して下さい.

提出期限:7月10日15:00
枚数:3枚以上

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