2008年6月30日月曜日

経済政策論 第11回

 今回から新たなトピックである消費税と年金です.

【授業の内容】
 消費税だけだと専門的になりすぎるので,消費税率アップの遠因(?)である年金問題も一緒に考えました.
 消費税はこれまで学んだように,間接税です.そのため消費税率を上げると,低所得層にとって特に負担が重く感じられます.では,なぜ消費税を上げねばならないのでしょう?
 それを理解するために,まず年金の仕組みを説明しました.日本の年金制度は少子化問題の際にも説明しましたが実質的に賦課方式を採っています.そのため,少子高齢化すると安定的な運用に支障が生じます.年金制度が複雑なのは,この賦課方式という制度に加えて,2階建てになっているからでしょう.基礎的な年金部分は共通ですが,2階部分は職業により加入できる年金が異なります.その他,国庫負担の割合や,インフレへの対策など様々な説明をしました.
 続いて,いわゆる年金問題とはどこが問題なのか解説しました.未納率,水平的不公平,垂直的不公平,他の社会保障との関係などなど,問題は山積しています.

 さて,消費税との関係ですが,今後の年金システムは大きく分ければ,現行のシステムに小さな変更を加えた社会保険方式と,抜本的な変更を加えた税方式の2つの間で揺れています.どちらを選ぶかによって消費税率も変わってきます.

【課題】
 次回は論点として,社会保険方式と税方式のどちらが良いのか?それぞれどんなメリットとデメリットを持つのか調べてきてもらいます.もちろん自分の意見もはっきりさせてきて下さい.
 また,最終回の発表のための簡単なまとめを作ってきて下さい.それに僕がコメントしますので,より良いものにしましょう.

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