2008年6月13日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第9回

 今回は価格理論でした.

【授業の内容】
 まずは前回の復習としてプリントを配り,損益分岐点と操業停止点を確認しました.この図はきっちり使いこなせるようにして下さい.
 またその図から,個別企業の供給曲線も導出しました.供給曲線がなぜ右上がりになるのか理解できたはずです.

 さて,それらを元に,今日は価格がどうやって決まるかについての3つの理論を紹介しました.これまで生産者理論では,「価格が~円であるとすると…」という問題を考えてきましたが,その価格がどうやって決まるか説明したわけです.
 まずはワルラス型価格調整メカニズムです.これは,まず価格ありきで,それに応じて需要と供給が決まり,その大小により超過需要,超過供給が発生するというものでした.超過需要が発生すれば企業は価格は上げ,超過供給が発生すれば価格を下げます.いずれにせよ,常識的な需要・供給曲線の元では,試行錯誤の結果,価格と取引される量は均衡に向かって収束します.

 続いてマーシャル型ですが,こちらはワルラスと異なり,生産量ありき,と考えます.価格は瞬時に変えられるけど,生産量を変更するには時間がかかるというのがその理由です.生産量が決まればそれに応じて,需要価格と供給価格が決まり,その大小により超過供給価格,超過需要価格が発生します.またそれらの発生を受けて生産量を増減します.こちらも常識的な想定の下では均衡に無かって収束します.

 最後にクモの巣理論を説明しました.この理論が想定するのは,生産に時間がかかり,保存が効かない財です.これらの特徴を持った財は不安定に価格の変動が大きいようです.典型的な例は野菜や果物でしょう.
 価格が変動する原因は,生産者が生産を開始する際の価格と,実際に販売する時の価格が異なること,また値段が安くても売らざるを得ないためでしょう.
 授業では3つの仮説をすべて図を用いて説明しました.

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