2007年5月2日水曜日

経済学A 第4回 アンケートへの返答

 第4回講義のアンケートの集計結果は水ノ上のHPからダウンロードできます.
http://wmt.bunri-u.ac.jp/mizunoue/filedl.html

 ここでは自由記述で学生から寄せられた質問や苦情に返答します.授業中にすべての質問に返答していると時間を取られちゃうので,授業では一部の質問のみに答えます.

【苦情】
 多いものから順番に挙げていきます.
板書に関するもの(16人)
 まず
字が汚い(見にくい)
 これに関しては言い訳できません・・・.ついつい字を適当に書いてしまっています.「とりあえずわかるだろ」と思っているのですが,以後気をつけます.字が小さいというのもありました.こんな大教室でやる機会があまりないので,油断すると小さな字で書いてしまったりします.
どこをレジュメに書き写すのかわからない 
 これについては,第1回目の講義でも少し話しました.これまでの高校の授業と勝手が違うので慣れないかも知れませんが,皆さんには話を聞きながら「ここはメモする必要がある」「ここは要らない」という判断をして欲しいのです.なぜそんなことをする必要があるか,というとノートが取りやすいように喋ってくれるのは高校まで(あるいはせいぜい大学まで)です.社会に出たらそんな優しい人はなかなかいないものです.
 その他,「板書が速い」,「図がゴチャゴチャしている」,「レジュメの空きスペースが少ない」との意見もありました.

学生の私語について(11人)
教室がざわついている(周りがうるさい)
 まあ,入学して1ヶ月が過ぎて友達とも仲良くなり,ついつい話したくなるのはよくわかります.私語が多いと前で話している僕は非常にやりづらいです!しかし,僕があまり注意しないのは皆さんを子供扱いしたくないからです.とはいえ,僕だけでなく授業に出ている皆さんも迷惑しているとわかったので,これからはもっと厳しくしたいと思います.皆さんも気をつけて下さい.

全体的にわかりにくい(3人)
 「真面目に聞いているのにわかりにくい」という人はごめんなさい.今後気をつけます.ただ,僕はなるべく合間,合間にちゃんと理解できているかを問いかけていますので,そこで手を挙げて反応して下さい.どこがわかりにくいか言ってくれれば,より上手く説明できると思います.
 「あまり話を聞いていないのでわかりにくい」という人は,それは当たり前です.真面目に聞かなくてもちゃんと理解できる内容なら,わざわざ大学で学ぶ必要もありません.

専門用語について(3人)
 専門用語を多用するため,わかりにくいという意見がありました.確かに経済学では直感的に理解しにくい言葉が多く出てきます.僕は(当たり前ですが)自分ではわかっているので,みんなもわかるだろう,とたまに勘違いしている場合があります.より正確に言えば,僕が認識しているその言葉の概念と皆さんが認識しているものが違うにも関わらず,違いに気づかないことがあるのです.とにかく,ややこしい言葉はなるべく繰り返し説明するよう気をつけます.

声が聞こえにくい(2人)
 あの教室の設備は手持ちのマイクなんですが,慣れていないんです.近づけ過ぎるとうるさいし,話すと聞こえないし,難しいです.今後努力します.

★少数意見(各1人)
経済学に興味が持てない
 う~ん,僕のアピール不足もあるのかもしれません.結構おもしろいですよ,経済学.
今の経済状況を話して欲しい
 これは追々,折に触れて話したいと思います.正し,ある程度基礎的な知識(前回と今回話したマクロ経済学)がないと,ただの現状説明だけで,「なぜそうなったのか」,「これからどうなるのか」を説得力持って語ることができないのです.今後は話します.
初回のような講義の方が興味を持てる
 確かにマクロ経済学というのは,話が壮大すぎるというか,なかなかピンとこないかもしれません.ただし,僕の専門はマクロではないので,そうじゃない話の方が好きなので今後は初回のような話もたまにはできると思います.

【質問】
実質と名目の違いがわからない,計算がわからない(10人)
 この違いは経済学では非常に大切なところです.そのため,今後もしばしば出てきます(おそらく来週も).ですので,今,違いがきちんと理解できなくても何度か説明しますので,そこで確認してみて下さい.いくつか他の例も出てきます.簡単に言えば,名目GDPは国の生産力を示すのですが,物価の変動によっても左右されるものです.実質GDPは物価の変動を排除して,国が持つ生産力そのものを示すものだと言えます.
 今回のGDPの計算の所は,たぶん復習することがないのでなるべく今のうちにできるようにして下さい.友達同士で教え合う,もしくは授業の後,あるいはオフィスアワーなどを利用して,僕に直接聞いて下さい.

★その他の質問
このブログにコメントを書き込む方法がわからない
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 誰も書き込んでくれず寂しい思いをしていたので,また感想などを書き込んで下さい.書き込んでも別に良いことも悪いこともありませんが・・・。
GDPの基準年を決める必要が分からない
 基準年とは,「その年から物価が変動しなかったら・・・」という基準です.基準年を設定することで,GDPの動きから物価の変動による影響を取り除くことができます.それにより,実質GDP,つまり国が持つ本質的な生産力(どんな車を何台生産したか,どんなサービスをどれぐらい提供したか,など)を数値化することができるのです.わかりにくいかな・・・?
 ただし基準年をいつにするか,については特に根拠はないと思います.授業で2005年にしたのはキリが良いから,という理由だけです.
新古典派の政策はなぜ長期にわたって経済を活性化するのか
 新古典派の政策のキーワードとしては,「経済の自由化」や「規制緩和」が挙げられます.規制緩和の一例として,農業を挙げると,かつては農業というのはいわゆる農家が行うものでした.しかし今では(条件は厳しいものの)企業が農業に参入することが認められました.つまり農業に参入するための規制が緩和されたのです.これにより,今まではできなかったような大規模な農業工場が建設され,大量に安い野菜が市場に出てくるかも知れませんし,企業が他分野で蓄積してきた先端技術が農業に応用されて,新しい品種が生まれるかもしれません.
 このような経済活動の影響は,一時的に景気を活性化する道路工事とは異なり,長期的な経済活動となりうることは理解してもらえると思います.ただし,規制緩和により民間の競争を促すことは,勝者を生むと同時に敗者も生み出します.例えば,企業が農業に参入したことで,これまで規制に守られてきた農家はひょっとしたら潰れてしまうかもしれません・・・.また機会があれば,このような話もしたいと思います.とにかく,関心を持ってくれると僕も嬉しいです.

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