2007年5月18日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第5回

 前回から引き続きスルツキー分解です.来週はテストするので,今日の範囲までをきっちり復習しておいて下さい.

注:下記の内容に誤りがあるという指摘を受け,訂正しました(5/26).赤字のところが訂正部分です.ご指摘ありがとう.

【授業の内容】
 前回駆け足で説明したスルツキー分解をしっかり理解できるよう,ケース1からケース4まで具体例を多く出しました.
 バーベキューのために牛肉(上級財)と豚肉(下級財)を買うという状況下で,
ケース1:所得のみが増加した場合
 この場合,代替効果はなく,所得効果のみが発生しました.上級財とは?下級財とは?の復習ですね.
ケース2,3:牛肉の価格が上がった場合,下がった場合
 これらでは牛肉,豚肉ともに代替効果,所得効果の影響は同じ方向(牛は減り,豚は増える)のため,消費はわかりやすい結果になりました.
ケース4:豚肉の価格が下がった場合
 この場合,豚肉は代替効果で増加しますが,所得効果では減少します.では,消費はどうなるかというと増加します.つまり普通の下級財では所得効果よりも代替効果の方が強いのです.つまり価格が下がると消費は増えるんでしたね.
 しかし,どんな財も価格が下がると消費が増えるかというと,例外があります.それが下級財の仲間であるギッフェン財です.ギッフェン財は下級財の中でも代替効果より所得効果の方が強いので,価格が下がるにも関わらず消費が減るという奇妙な財です.現実の経済でギッフェン財を見かけることは少ないですが,講義で説明したように非常に限定された条件下では稀に存在します.
 最後に例題として,図から財の性質(上級財,下級財,ギッフェン財)を探る問題を出しました.こういう問題って答えがはっきりしてるから,出題する側としては出しやすいのです・・・.

ミニテスト情報
 来週(5月25日)の講義時間中にミニテストを行います.質問があれば,このブログ内でも受け付けます.
範囲:第5回までの講義内容
配点:20点
注意!:特別な事情がある場合を除き,このテストを受けない場合は期末試験の受験資格を放棄したものとみなします.

0 件のコメント: