2007年5月11日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第4回

 今日は前期の山場であるスルツキー分解をやりました.かなり抽象的な話なので,なかなか理解しにくい所だと思います.「難しい」と連呼したためか,みんな集中して聴いていたように感じました.

【授業の内容】
 まずは復習を兼ねながら,代替財補完財の説明を行いました.財と財との組み合わせが無差別曲線の形状に影響を与えるようです.代替財の組み合わせ,補完財の組み合わせがそれぞれどうしてあのような形の無差別曲線になるのか,理解できましたか?
 次に「所得の変化と消費」について話しました.所得が増えると,一見してどんな財も消費が増えそうに思いますが,必ずしもそうとは言えません.カップラーメンなどの廉価品は所得の上昇により消費が下がります.付け加えれば,廉価品の購入を止めて,より高価な代替品(ラーメン屋のラーメンなど)を買うようになります.このように所得が増えると消費が増える財もあれば,消費が減る財もあるようです.前者を上級財(普通財)と呼び,後者を下級財(劣等財)と呼びます.
 最後に「価格の変化と消費」の関係を説明しました.サンドイッチとお弁当という2つの上級財があるとして,お弁当財の価格が下がった時,我々は2つの心の動きを感じるはずです.
①「お弁当が安くなったからたくさん買おう.サンドイッチは以前に比べて(相対的に)高く感じるので買う量を減らそう.」
②「(お弁当価格の低下により)前より食費に余裕が出てきたから(実質所得の上昇),どっちもたくさん買おう.」
 この①の気持ちを代替効果と呼びます.相対的に高くなると購入を控え,相対的に安くなるとより多く購入するわけです.
 対して②の気持ちは所得効果と呼ばれます.本当の予算は変化していないけれど,お弁当の値下げで実質的に豊かになった気がするために,上級財であるサンドイッチとお弁当の消費を増やしたのです.
 このように価格の変化が引き起こす消費の変化を,代替効果と所得効果の2つの視点で捉えることをスルツキー分解と呼びます.また2つの効果をグラフでも確認しました.ここは非常にややこしい話ですので,来週も引き続きスルツキー分解の説明です.

【課題】
 本当にややこしい話なので,必ず復習をして下さい!テキストで言えば,pp.148~164です.指定したテキストでなくても,ミクロ経済学の本ならスルツキー分解の話はまず載っているでしょうから,自分に合う本を探してみて下さい(→図書館へ!).良いですか?必ずテキストで復習して下さいよ!

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